Form1レジンタンクのシリコン張替え方法について
Post date: Apr 24, 2014 7:16:14 AM
<導入>
Form1の樹脂タンクは底面に厚さ約3mmのシリコンがコートしてあります。
シリコンがコートしてある理由はレーザーを当てた樹脂をレジンタンク底面からはがしやすくすること。
この方法には1点問題があり、レーザーを底面から当てる事でシリコンが劣化することだ。
Formlabsではシリコンが劣化した場合は新品のレジンタンクを再度購入を推奨している。
しかし、シリコンが劣化しただけでアクリルの箱を毎回捨てるのは勿体無いし、非効率だ。
そこで今回はレジンタンクのシリコン張替えを行った。その手順と結果を報告する。
<材料>
シリコンの消耗したレジンタンク
専用シリコン(Sylgard184):東レダウコーニング
注射器(50ml、10ml):テルモ
カッターナイフ:ホームセンターで購入
100ml程度の使い捨てプラスチックビーカー:東急ハンズで購入
70%エタノール:健栄製薬(薬局で売ってる)
スパーテル:東急ハンズで購入
水平器:今回はiPhoneアプリを使用
キムワイプ:日本製紙クレシア
金物の定規:東急ハンズで購入(下の写真に写ってないっす。すみません・・・。)
<方法>
STEP1 水平を確保する。
1)テーブルに水平器を置いて水平を確認する。
もし水平でない場合はテーブルの足を調整して水平を確保する。
STEP2 シリコンをはずす。
1)消耗したシリコンとレジンタンクの接点をカッターナイフで切る。
2)切り込みを入れた場所に金物の定規を差込シリコンを持ち上げる。
このときレジンタンクの底に傷が付かないようにする。
3)シリコンを取り外す。
4)シリコンの切りカスが残っているので70%エタノールで洗浄、洗い流す
5)キムワイプで70%エタノールをふき取り、残った分は立てかけて乾燥させる。
結果が下の画像。シリコンカスは無い状態にする。
6)乾燥した後にレジンタンクにごみが入らないようにサランラップをしておく。
STEP3 シリコンを混ぜる。
1)シリコンを80ml測り取り、プラスチックビーカーに入れる。
このときプラスチックビーカーの中に微小なごみ混入の可能性があるので事前に70%エタノールで拭いておくと、なお良い。
2)硬化剤を8ml測り取り、1)のプラスチックビーカーに加える。
3)2)を2分間スパーテルで必死に混ぜる。このとき泡が出ても気にしない。
STEP4 シリコンをレジンタンクに張る。
1)STEP1のシリコンタンクのサランラップをシリコンを入れるのに十分なだけ剥がす。
写真なし
2)STEP3で作ったシリコン混合剤をレジンタンクに流し込む。
このときスパーテルを使いシリコンを出来るだけ流し込む。
写真なし
3)空けたラップを閉める。
4)15分間放置
写真撮り忘れ。
5)4方向から見てシリコンの厚さにムラが無いことを確認する。
もしある場合は薄いほうを下にして流してやる。
水平が完璧に取れていても厚さのムラが起こる確率が高いので気を抜かない事。
写真撮り忘れ。
6)4)と5)を3回繰り返す。
写真撮り忘れ。
7)6)が終わると1時間たっているのでこの頃には気泡が消えている。
8)ひたすら25度で48時間放置する。
40℃の恒温器がある場合は水平を取った状態で恒温器に入れる。
固まり具合はSTEP4 2)のプラスチックビーカーに残ったシリコンの硬さを手で触ることで
確認する。
写真撮り忘れ。
STEP5 印刷してみる。
Form1で印刷します。
写真撮り忘れ。>>というよりしばらく使い込んで使用感レポします。
>>4月28日追記
結論としてかなり良いです。
レーザーやけも起こしません。シリコンの厚さによって若干の
ビルドプラットフォームの0点位置調整(PreformのHelp→Fine tuningより実行可能)は
必要ですがこれさえ出来ていればかなり安定しています。
出力結果を下記に示します。左がサポートが少なすぎた状態での出力、右が適正サポートでの出力です。
<まとめ>
水平を確保しても案外綺麗にシリコンが張れてくれません。
私は2回シリコンを無駄にしています。合計7000円が飛んだ計算です。
シリコンは一気に固まることが無いのでこまめにシリコンの厚さにムラが無いかを確認して、
薄いほうを低くしてやることで厚さのムラを解決していきます。
費用ですが、シリコンは安いところで購入すると10,000円程度で購入できます。
レジンタンクで4個分のシリコンが張れるので1個2,500円の計算です。
レジンタンクをFormlabsから買うと10,000円なので4分の1程度の金額で保守が出来る計算です。
以上。